Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
鷺谷綾子さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。
A1
3年程前から作っているお猪口です。
パウダー状に砕いたガラス粉と色を混ぜたパーツを一緒に焼成しており、白色の中に色が流れていく表情が気に入っています。
ガラスは色や粒度によって溶け方が異なるので、どんな風に流れたか、石膏型を割り出す時は少しワクワクもします。
原型はろくろで作っており、一つひとつ形を変えています。
色も形も様々なので、一期一会を楽しんでいただきたい作品です。
同じシリーズでコップやお皿も出展予定です。
Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。
A2
器のほとんどは鋳造の技法で制作をしていますが、フュージングやスランピングの技法も取り入れています。
この長皿はザラメくらいの粒度のガラスを溶かして板を作り、バリを取った後、石膏型にのせて焼成し、熱をかけてお皿の形に曲げています。
型に流し込む鋳造と違い、ガラス粒の溶けた表情や熱で動いた跡が見えるのが魅力だと思っています。
Q3
鷺谷綾子さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。
A3
ガラス学校時代に作った電気炉です。
いわゆる実験炉サイズなので、一度に多くは焼けませんが、小さい器の焼成や試作、ガラスカレットの水砕など、使い勝手がよく常に稼働しています。
使い始めてから10年が経ち、だいぶ年季が入ってきましたが、これまで一度も故障なく動いてくれています。
古代メソポタミアに起源を持つパート・ド・ヴェール技法などによって制作されるガラス作品。
白と組み合わされたカラーのゆらぎも鷺谷綾子さんのガラスの魅力です。
2回目の出展となった今回は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社鳥居のふもと。
スダジイやクスの高木の木漏れ日にガラスがどんな風に映えるでしょうか。
鷺谷綾子さんのインスタグラムはこちらです。
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